Kuwasawa 2024桑沢2024令和5年度卒業生作品展
Fujimori Taiji + Shinozaki Takashi Seminar藤森泰司+篠崎隆ゼミ
Theme:観察すること、そして身体へ
- VoileBRUNET, Muriel Anne
- 照明器具が光に形を与えるのではなく、光がランプシェードを満たすことで照明器具に形を与えるというコンセプトの探究である。二次元と三次元の間の空間に大変興味を持ったことを軸として制作した。風が帆を満たして形を与えるように、光で満たされるオブジェを目指し、フランス語で帆を意味する‘Voile’と名づけた。
- Soft Cocoon SofaTAO, Jingying
Higo Yuko Seminar比護結子ゼミ
Theme:◯◯ × ◯◯な空間
- 下北沢 inspire ‐消えゆく街のカイタイ記録‐佐古 汐里
- 下北沢の街は現在「補助54号線」という26m幅の道路を通すため、予定地がどんどん更地になってしまっている。時が経つにつれ、更地になった土地は下北沢を訪れる人々の記憶から忘れられ、いつの間にか道路になるのだろう。私は、変わっていかざるを得ない下北沢が「シモキタらしく」変わっていくために、建物を一気に更地にしてしまうのではなく、10年の時をかけて、少しずつ、少しずつ建物を壊していく新しい解体方法「カイタイ」を提案する。そして、この「カイタイ」で生まれた人が自由に入り込める空間で、また新しい「物語」が日々描かれていくのだ。
- 花路 hanamichi 〜童心に返って花を観る〜大下 航
Living Space B + Commercial Spaces B住空間B + 商空間B
Theme:KAMIYAMA-CHO COMPLEX
- 神山町更新計画「永続集落街」手塚 創太郎
- 本計画では、都市化・情報化の波により、年々失われていく神山町のヒューマンスケールな地域性の良さを守るために「インフラ(都市を支える仕組み)」も組み合わせた新しい街並みデザインシステムを提案する。緑に溢れた立体的な人工地盤の構成は、広場や通路の共有から、住替え・建替えの「更新」も可能とするシステムで、神山町における住人と来訪者の繋がりや生活の連続性の維持、地域の魅力や自然環境を永続的に生み出していく。
- まちまど河野 末愛
- 敷地である神山町は住宅街と繁華街の間に位置し、繁華街に向かう人々が通り過ぎていく。前面の道路は道幅が狭く、歩行者や自転車、車がせわしなく行き交っている。それを受け、今回の設計のテーマを「町のシンボルとなり、道行く人々がたまれる場所となること」とした。ファサードに林立した大小さまざまなアーチを用いることで通行人の視線を誘う。ボリュームを6つに分け広場的なスペースを多数設けた。
- Jam³黒田 竜司
- 住居、商業、自然の道が複雑に絡み合い、神山通り、緑道を繋ぐ新たな通りを生む建築を設計した。神山町の特徴でもあった「建物同士の隙間」、「町に貼られたグラフィックの混雑さ」、「人通りの絶えない連続性」を感じられるよう床を1.2mごとに配置し、構造の壁柱との縦と横の隙間から各々の生活が垣間見えるようにした。住居は中央に配置し、自然の道は人の居場所をつくりながらS字を描き、カフェ、雑貨屋、アパレル、本屋、ギャラリーが含まれたストリートマーケット型モールが住居の周りを回遊する動線を持つ。
- 水辺のすみか長嶺 芽衣
- 非日常を日常的に楽しむすみか。埋められた宇田川を蘇らせ、川のあった昔の景色をいまの形でつくる。雑居ビルや高層ビル、人、モノ、文化、情報などが高密度で凝縮された渋谷で今となっては渋谷の日常ではない「川の景色」を取り戻す。渋谷元来の土地環境の特徴である「水」と「谷」から得られる非日常の空間へ。もてなす人がいる生活。ホテルのように、家のように暮らす。1泊の滞在、1週間の滞在、1年の滞在。もつモノは身軽に、半遊動的に暮らせばよい。もてなされ、人とシェアするということを楽しみながら、気分が変わればまた違う部屋へ。
- CIRCLE KAMIYAMA ─地域のアクティビティをま〜るくつなぐ大谷 美穂
- 新たな渋谷・代々木文化の創造に向け「町屋の小商い」の考え方を軸に住み商うための施設を提案する。業態の垣根を越えて共同で暮らし支え合いながら、住人が神山町とも長きにわたり関係づくりができる場所とは何かを検討した。住商一体の町屋ユニットにシェア施設も併設し、町に開いた建築は新しい地域性やコミュニティ創出の場となる。
- 境界を揺蕩う波の位相中村 彩乃
- 敷地は、渋谷駅から東急本店を通って富ヶ谷方面へと抜ける、いわゆる“奥渋”のメインストリートにある。この提案では一つの建築内に商業と住居、にぎわいとプライバシーという対照的な2つのエリアを設定し、緑豊かな吹抜け空間を境界として挟んだ。そしてこれらを吹抜け空間に対して波のような曲線でお互いの領域へと出入りさせる。間に挟まる緑化されたスクリーンの重なり具合で、微妙な距離感の違いや佇まいをつくりながらも、潤いのある一体的な空間とした。