都市とは夢にむかう若者の仮住まいの場所。人とは死にむかい常に変化し生きてゆくものである。リミットのある時間でいかに満たされた空間を作れるか、がテーマになった。Memento moriの「死を想え」という意味を発展させて建築の中に「死」を作り出し、それを日々静かに見つめて受け入れつつ短い今を輝かせる。 生を「五感を使って輝く・好きな仕事をして充実」する空間とする一方、死を「五感を使わない・リラックス」する空間としてポジティブに位置づけた。この住宅内で生と死はグラデーションを描く。高い場所が生、低くなるごとに感覚の消失=死に近づく。平面上で死と生が混在し、うっかり近づいたり飛び越えてしまう死の淵や境界線を示した。店舗も設定した5家族の職業から連想される「生」と「死」を展開して考えた。