都市では多くの人々の人生が平行し交錯している。人は常に自分の人生の中にいると同時にさまざまな異なる「差」を持つ人生と隣合わせにいる。性別・年齢・国籍・容姿…。人にはさまざまな差がある。その差は時に格差や差別の原因となる。しかし、その差こそが人の運命を好転させるキッカケとなる。その差を一つにすることにより、多くの思いもよらない出会いが生まれるのではないだろうか。そして新しい人生を生み出すことができるのではないだろうか。かつて三谷と呼ばれたドヤ街のある台東区と現在高級住宅街である港区を結んだ中心には、東京駅、皇居、国会議事堂など、日本の中枢を担うような機関が集中している。この場所を日本の中心（都市の中心）と考え、そこにさまざまな人の集まる都市の縮図とも言える建築をたてる。