レクチャーシリーズ第3回(2021年11月20日)
ゲスト:田中智之さん(建築家・建築画家)*オンラインレクチャー
田中さんは1971年の埼玉県に生まれ、1994年に早稲田大学理工学部建築学科を卒業。1999年には早稲田大学大学院博士後期課程単位取得し退学。(建築設計事務所の)NASCA、同大学専任助手、同大学芸術学校客員講師等を経て、2005年より熊本大学工学部助教授を務める。2018年には熊本大学大学院教授となり、現在に至る。
田中さんが青ペン一本で描かれる特徴的な透視図法(通称「タナパー」)は生きた絵の追求の最中、生まれたものだという。二次元の表現で動きのある生き物のようなという表現は難しいが、そこをテーマにしている。
今回のレクチャーでは、どのように生きた絵の追求をしているかをお話いただいた。
建築を学び、透視図のルールや模型写真の撮り方、流儀や当たり前になっているやり方を踏襲すると、出来上がったように見え満足してしまう。しかし目的は達成出来ているかどうかが大事で、プロっぽく見えるかどうかではない。最も自分が言いたいことを伝える、それが表現の目的であるという。
田中さんは最も伝えたいことを軸に、表現方法や描き方を組み立てていくことが重要であり、難しいところなのだという。
常識的な表現や、今まで培われてきたやり方を使わなくてもいい。表現方法は自由であることを伝えたいと語る。田中さん自身の透視図法も一つのやり方に過ぎないとのこと。
もっとも効果的な、自分が得意とするやり方を見つけると、世の中が豊かになり、面白いことが増えると思うので是非考えていただきたいと、学生へ向けてメッセージを頂き、レクチャーを締めくくった。