レクチャーシリーズ第4回(2021年11月27日)
ゲスト:茂木正行さん(美容師)
茂木さんは1975年にヴィダル・サスーンにてアーティスティックディレクターに就任し、1978年にはバーリントン・デモンストレーションチームを設立。パートナーの星名陽子さんとともに、数々のヘアショーやCMなどのヘアメイクを担当された。その後、1983年に東京・青山に「boy」をオープン。新しいヘアカット技法を写真集に収め「HAZUSHI」として発刊した。現在もサロンワークを続けるとともに、新たな美容技術を日々研究している。
今回のレクチャーでは、前半で茂木さんの手がけたプロジェクトをご紹介いただき、後半では学生と共にヘアーカットのワークショップを行なった。
セルフカットというのは、美容院が退屈だからしてしまうものだと考え、逆説的に美容院が面白かったらお客さんは来るのだと感じていた茂木さんは、セルフカットがこれから流行るという時期に、日本で「HAZUSHI」という繋げないカットを「boy」で始めた。「HAZUSHI」を行うと髪の毛が動く。それまでは、きっちりと決められた動かない髪型が多かったが、ある切り方をすると、スピード感が出てストーリーが生まれる。それが世界中で受け入れられたのだという。
後半には、教室の壁に紙を貼り、学生とboyスタッフが混ざって、数十秒という短い時間の人物デッサンを行なったり、学生がグループに分かれてヘアカットの体験をした後、学生がカットしたヘアスタイルを活かしたまま、boyのスタッフがハサミを入れて、ヘアカットがどのように行われていくかを見させていただいた。
その他にも、カットマネキンではなく、実際の女性モデルの方をカットする様子を見せていただいたり、boyのスタッフ総出で、多くの実演やワークショップをご用意いただき、今までのレクチャーとは異色の回を学生も非常に楽しんでいるようであった。