昼間部2年生の授業「空間表現技法」では、3組の先生が異なる空間表現技法を担当しています。今回はその中でも、野口理沙子先生、一瀬健人先生(イスナデザイン https://isnadesign.com/)の担当授業を紹介します。
野口先生、一瀬先生の授業は、5週に渡って行われ、毎回ワークショップ形式で授業中に制作をし、最後に発表・講評という授業でした。
(1回目)制限から空間を考え、描く (形から空間を発想する)
(2回目)絵と立体を行き来して考える (○○な家をテーマに空間を考える)
(3回目) 見立てから都市を構想する (〇の形をベースに都市を描く)
(4回目)都市の体験を記述する (渋谷駅から学校までの体験を描く)
(5回目)都市をデフォルメして捉える (東京の街を拡大縮小して描く) でした。
授業の詳細:
(1回目)制限から空間を考え、描く (形から空間を発想する)では、まず自分の部屋を描いて、そこから別の極端な環境(土の中、空の上、雨が止まない…など)に転生させる課題。 授業の主題は、①あり得ない2つの要素を接続させること②変化するけど〇〇らしさを残すこと③ドローイングから建築を考えること、の3つでした。
(2回目)絵と立体を行き来して考える (○○な家をテーマに空間を考える)では、「住みたくない部屋、家」を考え、その要素をイラストで表現し、最後にそのイラストを用いて模型化するものでした。
(3回目) 見立てから都市を構想する (〇の形をベースに都市を描く)では、【見立てx断面】 ①15本の線で迷路を作る ②壁を立てる ③迷路を断面に見立てて新しい学校を考える という流れ。 「あるものを別のものに見立てる」「意味のないものに意味を与える」を鍛えるアプローチ。
(4回目)都市の体験を記述する (渋谷駅から学校までの体験を描く)では、事前に、駅から学校までの通学経路において、いつもと違う道のりを通って来てもらい、その記憶を元に、駅から学校までの道のりで見たもの、経験したものを描き出してもらい、最終的にグループ単位で一枚の連続した絵にするというもの。様々な人の体験が一枚の連続した絵になることで、都市で知らず知らずのうちに起こっていることなどを再表現し、再認識するもの。
(5回目)都市をデフォルメして捉える (東京の街を拡大縮小して描く) では、それぞれの学生が、東京のワンブロックを担当し、既存の街並みや隣のブロックを意識しながらデザインするもの。
以上、毎回新しい視点でイラストやイラストを元にした模型を制作することで、今まで当たり前のように考えていた建築や都市を見直し、柔軟な発想を養う良いトレーニングになったことと思います。このトレーニングが今後の設計課題に生かされることを期待しています。