KDS-SD 桑沢デザイン研究所
スペースデザイン

Spotlight注目の授業

昨年度の昼3年「比護ゼミ」審査会の報告

2025年2月7日(金)3、4限目に昼3年「比護ゼミ」の審査会が行われました。ゲストにはアトリエコの小林佐絵子さんにお越しいただき、講評していただきました。

本ゼミでは、渋谷という街をフィールドに、都市の観察・分析を通じて、未来の街の在り方を考え、具体的な空間デザインへと落とし込むことを目的としてきました。前半では、渋谷区神山町(通称:奥渋エリア)の300m×300mの範囲を対象に、街の成り立ちや現在の姿を多角的にリサーチし、地図の作成や街歩きを通じて、街の変遷や特性を理解する作業に取り組みました。その後、グループワークとして敷地模型を作成し、俯瞰的かつ立体的にエリアの特徴を把握しました。今年度のゼミでは、一連のリサーチを通して、各自が関心を持ったテーマを見つけ、そこから卒業制作へと発展させていきました。

最終審査では、学生たちが個々に選定した「場所」に対し、商空間、住空間、その他の空間など異なる要素がどのように共存できるかを考えたデザインが発表されました。小林さんからは、コンセプトの独自性や、街の文脈を踏まえたデザインの展開についてのコメントがあり、実践的な視点からもアドバイスが寄せられました。

ゼミを通じて、学生たちは「観察」を基点としたデザインプロセスの重要性を学び、都市の変化に対する空間のあり方を自分なりの視点で深めました。渋谷という街が持つ多層的な魅力を捉え、それを未来に向けてどう活かしていくかを模索する経験は、今後の創作活動にも大きく生きるでしょう。