12月13日(土)に行われたレクチャーシリーズ第4回目のゲストは、静岡大学人文社会科学部准教授であり日本庭園と能楽研究者の原瑠璃彦さん(https://www.srd.shizuoka.ac.jp/stf_regsym/hara/)でした。
原さんは高校生の時に坂本龍一さん+高谷史郎さんが京都の法然院で開催した実験ライブ「庭園シリーズVol.1」を体験したことがきっかけで日本庭園や古い物と新しい物の融合に興味を持っていったそうです。

レクチャーでは、日本庭園でよく見られる白い砂はなぜ使われているのかというお話から原さんの著書である「洲浜論」を元にレクチャー頂きました。白砂青松という日本固有の風景を表す四字熟語があるように洲浜とは日本人の原風景であり、日本庭園や能舞台など様々な芸術文化の表現において海や理想郷を表象する文化の受け皿で乳母的な存在であると語られました。



また、原さんの活動の一つである「終わらない庭のアーカイヴ」というプロジェクトもご紹介頂きました。この活動は、石・水・植物など常に変化をしているものから構成される日本庭園をなるべく動的なアーカイヴを作って残していくことを目的とするもので、庭園を3Dスキャンや高解像度の撮影録音をしたものをWEB上で閲覧することが出来ます。



後半は学生たちと円座を組み、質疑応答を含めた座談会を行いました。今回は、非常勤講師の押尾章治先生をはじめ、磯達雄先生、後藤武先生もレクチャーから参加して頂き、後半の座談会は非常に充実したお話となりました。
洲浜のことや常世思想といった日本特有の考え方を今回のレクチャーで初めて知る学生も多く見られ、日本の文化と歴史について改めて触れることが出来た良い機会となりました。




