8/5(木)に昼間部2年生「インテリアデザイン2A」(担当: 髙平洋平先生)の最終課題講評会に、ゲスト講師としてデザイナーの原田圭先生(DO.DO.代表)をお招きし、学生たちの作品をご高覧いただきました。
インテリア空間の基礎・基本(考え方や捉え方)を学ぶ本授業の最終課題は「一輪の花を展示する空間」。村田珠光は「月も雲間のなきは嫌にて候」と言っています。これは、夜空に煌々と輝く月よりも、雲間から見え隠れする月のほうが、より美しさが感じられる、という意味で侘びや儚さを表している言葉です。均質化されたモノではなく、一見するとガラクタのようであっても、モノをつなぎ合わせることで空間を構成する要素となります。床・壁・天井に頼った空間ではなく、モノを「見立てる」構成で花の美しさを語れる場を設計する、という条件下でグループ制作を進めました。さらに、もの派の作家と作品を参考としながら、身の回りにあるモノを配置し、加工することでモノと空間の関係性を探求していきます。各グループで制作するのは3x3mの原寸大の展示空間で、展示台、キャプション、そして照明計画を立てるまでのケーススタディです。
いわゆるインテリア設計とは違うかもしれませんが、イメージを具体化しながら「内と外」を作り出す方法や手段を探り、最小限の要素から「展示」という機能を持たせた空間に仕上げ、原寸表現することに挑みました。空間設計ではほとんどが縮尺図面や模型を使用し計画して行きますが、本授業では原寸、リアルスケールでの出来上がりを最終目標としました。空間をはじめて学ぶ学生が、スケール感を体で記憶することができればと思います。原田先生にももの派のエスプリを感じ取っていただけたようで、視覚と空間のみを共通言語とする感覚的な伝達法も体験できたことは有意義な結果となりました。