KDS-SD 桑沢デザイン研究所
スペースデザイン

Spotlight注目の授業

夜1年「住宅エレメント」の前半課題発表が行われました

11月15日(月)6、7限目に、夜間部1年生の「住宅エレメント」(片根嘉隆先生)の中間発表が行われ、分野責任者の大松俊紀先生が講評に参加しました。

この授業は、今年度からの夜間部カリキュラム変更によって、エレメントデザインの独立した授業が無くなった分、エレメントと住空間デザインを繋ぐ授業として新たに設置された授業である。

桑沢の空間デザインにおいては、他の教育機関と違い、基礎造形、特にエレメントデザインが重要な位置を占める。空間をデザインする際に、必ず空間を構成する要素としてのエレメントに注目し空間をデザインすることを心掛けるように教えている(もちろん、その逆の、家具などのエレメントをデザインする時は、それが置かれる空間や都市のあり方に注目するように、ミクロとマクロの視点を常に行き来しながら、エレメント〜空間をデザインすることが大切である)。

通常の住空間デザインでは、空間をデザインした後に、その空間に合った家具や照明などのエレメントがデザインされることが多い。だがこの授業では、最終的にどのような空間になるかは考えずにまずエレメントをデザインし、それを発展・展開させることで、住空間をデザインしていくという、通常とは逆の進め方をする。そうすることで、エレメントを強く意識した住空間デザインを行うことを狙いとしている。

今回は「棚」というエレメントを元に住空間を設計していく課題内容であった。前半課題の発表では、エレメントデザインを完成するところまでが目標であった。

(以下は、片根先生による課題文から)

『住宅における棚の新しい可能性を考える』

住宅においてモノを収納・陳列することの意味・役割と行った根本的なこと、何を何のために収納するかを改めて再考してもらう。最近では、極力モノを持たないスタイルやコロナ禍において、モノの所有のあり方や価値観が激変していく中、どういったあり方が今後必要とされるのか、棚の新しい可能性と共に考えてもらう。

前半課題では、住宅において共通して存在する建築的なエレメントとしての「棚」(=仕切り、壁)のプロトタイプをデザインしてもらい、後半課題では、考案したプロトタイプの棚を住空間固有のデザインへと発展させてもらう。

(サイズ)プロダクトスケールではなく、身体に近いスケールのモノとする。最終的に製作する成果物は、1/5の模型と原寸大の部分模型。

(素材)模型や原寸大の部分模型の材料は、実際に使用する材料と同じものを使用すること。