KDS-SD 桑沢デザイン研究所
スペースデザイン

Spotlight注目の授業

昨年度の夜2年「卒業設計」最終講評会の報告

2025年2月3日(月)6、7限目に夜間部2年生の「卒業設計」の最終講評会が行われました。講評会には担当の押尾先生(住空間B)、久山先生(商空間B)、専任の大松先生、髙平先生が参加し、ゲストには建築家の榮家志保さん(EIKA studio:http://eikastudio.jp)にお越し頂きました。

本課題では、渋谷区神山町の敷地において、住空間と商空間を複合させた建築を設計することが求められました。単に建築を設計するのではなく、両者の関係性や相互作用を考慮し、どのような新しい都市空間のあり方を提示できるかが重要なポイントとなりました。

学生たちはまず、敷地の特性を分析し、渋谷の中でも特に「奥渋」というエリアの持つ商業的な活気と住宅地としての落ち着きのバランスをどのように建築へ落とし込むかを模索しました。住空間と商空間の割合や配置の決定において、プライバシーの確保と賑わいの共存をどのように成立させるかが大きな課題となりました。

講評では、住む人と訪れる人の視点をどこまで意識して設計されたか、空間のつながり方や空間配置の工夫が指摘されました。また、商空間が街へどのように開かれるのか、住空間においてどのような暮らしが営まれるのか、そしてそのお互いの相互作用や連続性が重要なテーマでした。

内部空間のディテールにまでこだわり、建築とインテリアが一体となった提案が多く見られ、特に、住む人と商空間を訪れ利用する人の動線計画や、昼と夜で異なる空間の表情を意識したデザインが印象的でした。

この演習を通じて、住空間と商空間の新しい共存のあり方について、多角的に考察する機会となったと思います。今後も都市の変化に対応した空間づくりの視点を持ち続けてほしいと思います。