KDS-SD 桑沢デザイン研究所
スペースデザイン

Spotlight注目の授業

夜2年エレメント・インテリア・住環境の最終合評会が行われました

2月3日(月)6、7限目に、エレメントデザインC(篠崎隆先生)・インテリアデザインC(久山幸成先生)・住環境デザインC(押尾章治先生)それぞれの課題の最後の合評会が開催されました。

ゲスト講評者には、建築家の伊藤博之さん(工学院大学教授)に来て頂き、分野責任者の大松俊紀先生も参加しました。

課題内容は、エレメントデザインCは「MOBILIS IN/IM MOBILI」というタイトルで、フランスの⼩説家ジュール・ヴェルヌ(Jules Verne, 1828-1905 )のSF小説『海底⼆万⾥(原題 ” Vingt Mille Lieues Sous Les Mers” )』の中でネモ船⻑と潜⽔艦ノーチラス号のモットーとして出てくる”MOBILIS IN MOBILI” というラテン語の句から採られたものでした。直訳的に解釈すると、イタリア語やフランス語などで家具を⽰す⾔葉の原語である”MOBILI”、つまり動くものが、動くものの中にあるというような意味である。⼟地や建物などの動かないもの”IM-MOBILI”、に対しての動くエレメント”MOBILI”はどのように存在し、⾃⾝や周囲に変化をもたらすのか。また同様に動くもの”MOBILI”に対してはどのように振る舞うのか。 抽象的なことばの解釈から具体的なエレメントのタネを見つけ、それによって引き起こされる現象を想像しながら各⾃の考える”MOBILI”へと発展させる、という課題であった。

インテリアデザインCは、 「TOKYO SHOWCASE」というタイトルで、来年2020年には訪日観光客が4000万人を超えると予想される中、日本は海外の人から見てどのような魅了があるかをインテリアデザインで提案するもの。一時的に滞在する観光客だけでなく、日本に長期に渡って滞在・生活をしている外国人にとってもこれからの東京はどのような街であるべきかを考える。日本・東京の”今”を感じ、楽しむことができる東京の魅力のSHOWCASE(ショーケース)となるような提案性のある空間をデザインするというもの。施設を象徴的に表現するデザインエレメントを考え、空間をトータルにデザインすること。宿泊が可能な空間を設けること。宿泊者だけでなく誰でも気軽に訪れることができる都市生活の一部となる空間をデザインすること。ストリートから施設がどのように感じられるかを考慮して外観のデザインもすること。施設名称を考え、サインやグラフィックデザインも行うことが要求された課題であった。

住環境デザインCは、「地域と相関する生活のかたち」というタイトルでした。「地域」という言葉の意味は多岐に渡りますが、街並みの特徴や近くの商店街などの状況、周辺の住人やその賑わいや喧噪のことを指します。また、風や緑などの自然環境的なものから、道路や交通状況のような社会環境までも含みます。「地域」とは、そうした物理的、人為的、環境的なことがらの総称であるので、様々な要素をはらむのです。時には気持ちよく、時には煩わしく、役に立ったり問題になったりすることもあります。都市空間のデザインにおいては、そうした様々な状況を前向きに捉えて、敷地内の計画と相関する「かたち」を見つけ「地域」をさらに盛り上げていくことがとても大切です。敷地は、世田谷の北沢川緑道沿いに設定し、緑道周辺の住人やその日常生活に目を向け、地域の特性に配慮した併用住宅(公共的な施設を含む)を設計するというもの。併設する公共的な施設としては、カフェやギャラリーなどの商業なものでも、学童保育や託児施設などの地域な施設でもよく、学生各自が「地域」の公共性に役立つアイディアやストーリーまで考える課題であった。

この合評会は、2月末に行われる卒業生作品展に出品する作品を選抜する講評会でもありました。選ばれた作品はさらにブラッシュアップして、展示されることと思います。お楽しみに。

桑沢デザイン研究所 卒展生作品展:桑沢2020(2月28日〜3月1日)

https://www.kds.ac.jp/sotsuten/