8月10日(木)6、7限目に、夜間部2年生「住空間A」(担当:大松俊紀先生)が行われ、ゲスト講評に、建築家で東京工業大学准教授の塩崎太伸さん(アトリエコ主宰、https://www.atelierco.net/)と後期の「住空間B」を担当している建築家の押尾章治先生(http://www.ua-office.co.jp/)に参加して頂きました。
課題内容は、建築家・篠原一男が1963年に設計した軽井沢の「土間の家」の敷地内に、施主のための新たな住宅を設計するというものです。「土間の家」は、篠原一男が設計した「上原通りの住宅」(1976)の施主でもある写真家・大辻清司氏の軽井沢の別荘として設計されたもので、施主の長女家族3人が、敷地内に新たな家を建てるという実際の仕事を大松先生が依頼された実話を元に課題の設計条件が構成されています(残念ながら、大松先生の設計案は実現しませんでしたが、その後、夜間部で13年間続く課題となっています)。
篠原一男がその昔、桑沢デザイン研究所でも教鞭を取っており、同時期に桑沢で教鞭を取っていた大辻清司氏をはじめ、様々な芸術家が篠原一男の施主になっていきました。そういった経緯もあり、大辻家と大松先生との親交が深まり設計を依頼されたと聞きます。
課題のプロセスにおいては、篠原一男の全住宅の図面(1/100)をトレースしたり、篠原一男の第1の様式から第4の様式に至るまでの過程を分析するなどして、戦後日本の住宅設計に多大なる影響を与え、現在でも国内外で評価され続けている篠原一男の設計思想を学びながら、自分の住宅設計思想を磨く課題です。