KDS-SD 桑沢デザイン研究所
スペースデザイン

Lecture Seriesレクチャーシリーズ

レクチャーシリーズ 第1回:松井龍哉氏(ロボットデザイナー)が行われました

レクチャーシリーズ第1回目のゲストは、ロボットデザイナーの松井龍哉氏(フラワーロボティクス代表)でした。

フラワーロボティクスは、「ロボットを車やPCやスマートフォンのように日常の風景にする」を企業理念として、人間の生活の中に自然に溶け込むようなロボットを開発している。また、ロボットの製品で21世紀の新産業を作ることを理想としている。

松井氏は、ロボットを「センサー(感覚)」「知能・制御系(知能)」「駆動系(筋肉)」の3つの要素を持つものであると定義する。ロボットの身体に備わるセンサーによって、環境の中から様々な情報を取得し、それを人工知能が処理し実際の駆動として反映される。松井氏の定義するロボットは、工場の機械などと違い、ただプログラム通りに動くのではなく環境から学習することで、状況に応じた行動ができるようになっていくものである。

ロボットデザインの本質とは、人の生活の中に自然と共存させるトータルシステムの設計であると松井氏は言う。また、ロボットを「目的を持つ第三者」と呼び、ロボットが人間の世界観に溶け込み、目的を持って行動することで新しい価値が生まれるような環境設定が重要であると言う。それは人とロボットの関係性をデザインすることでもある。

これからのデザインには、無から何かをつくるのではなく、既にあるものを繋げることで新しい価値を創り出すという可能性がある。

『Connected Home Alliance』という新しいプロジェクトは、各企業が独自に提供しているサービスを相互に繋げることで、生活者の暮らしが豊かになるというものだ。ひとまとまりの価値を創るということがこれからのデザイナーにとってのひとつのテーマになるだろう。

 

フラワーロボティクス:
http://www.flower-robotics.com/

*次回11月25日(土)の講演者は、インテリアデザイナーの山下泰樹氏(DRAFT代表)さんです。
http://www.draft.co.jp