12月3日開催の第3回目のレクチャーシリーズは、東京大学大学院で教授をされている舘知宏(たちともひろ)氏によるオンライン・レクチャーでした。
舘さんは、東京大学の建築学科、そして同大学大学院建築学専攻を修了されており、専門分野は、「図形科学」「情報(計算幾何学/CG/幾何形状処理)」「建築学(構造工学)/構造形態学/コンピューテーショナル・ファブリケーション」です。
レクチャーは、「計算折紙、アート・サイエンス協働」というタイトルで、舘さんが普段おもに研究されている折紙とそこに内在する幾何学の秘密についてのお話でした。
「かたちと機能の関係を理解して応用可能にしたい」というテーマの下で研究されている内容を、折紙の歴史も踏まえながら、膨大な資料と共にお話し頂きました。お話の途中では、ボロノイ図を生成するアプリケーションや事前に配布して頂いた折紙用のパターンを使って、簡単な折紙ワークショップも挟んで頂いたことで、難しい幾何学のお話を、手を動かすことで感覚的に理解した部分も多かったと思います。
後半は、可変する折紙構造のお話から、それを利用したアートワークなどの実例作品、そして東京オリンピック2020のロゴをデザインした野老朝雄さんとの共同プロジェクトのお話などをご紹介頂きました。
お見せ頂いた資料の内容と量に学生は終始圧倒されている感じでしたが、最後の質疑応答では、学生からの質問も多く、空間デザイナーが避けては通れない幾何学の魅力に、学生も色々とデザインのヒントを得たように思われました。