夜間部1年生の「造形発想」(伊藤邦彦先生)では、ハンドスカルプチャーという課題が行われています。この課題は、各学生に配られた木の塊から、触覚のみを頼りに、自分の手に心地よく馴染む形を仕上げるというものです。
ハンドスカルプチャーは、桑沢デザイン研究所が教育の流れを汲んでいるドイツのバウハウスで生まれた課題であり、その流れを汲むシカゴのインスティテュート・オブ・デザインで学んだ写真家・石元泰博(1921-2012)が、桑沢設立当初に講師として導入した伝統的な課題です。
その経緯は、桑沢スペースデザイン年報2021-22(https://kds-sd.com/wp-content/themes/kds-sd/pdf/ksd20-21.pdf)で紹介されているので、詳しくは以下のHPをご覧ください。
削っては指先で確認することを繰り返すことで、視覚に捉われない思わぬ形が生まれます。この課題には正解の形はなく、トライアンドエラーしながら自分が納得するまで彫り続けます。それは、デザインの根本的な姿勢を学ぶ事に繋がります。