KDS-SD 桑沢デザイン研究所
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レクチャーシリーズ第5回_津久井五月さん

レクチャーシリーズ第5回(2021年12月4日)

ゲスト:津久井五月さん(SF作家)

津久井さんは、東京大学工学部建築学科を卒業。その後、同大学の大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了した。2017年3月、津久井悠太名義の投稿作「天使と重力」で第4回日経「星新一賞」学生部門準グランプリを獲得。同年11月、投稿作「コルヌトピア」が第5回ハヤカワSFコンテストで大賞を受賞し、作家デビューした。

今回のレクチャーでは、建築から小説の仕事をするようになったきっかけや、未来都市を描く時の切り口、また、未来都市を書く理由などをお話しいただいた。

SFプロトタイピング(SF的な発想を元に未来を試作し、製品・事業開発などをすること)のような仕事というのは、建築を学んだ人ほどやった方がいいと津久井さんは感じているそうだ。未来や公共性のこと考えて、自分たちの事業が社会に対して害にならないようにしたいなどの真摯な思いで、SF作家へ声をかけてくる企業がたくさんあるのだという。建築家は何十年という長いスパンでデザインをし、しかも公共性の中で考えている人たちであるというのに、SFプロトタイピングの仕事に参加している人が少なのは残念だという。

建築の方でもSFプロトタイピングのような、未来を考える仕事に意欲的な方針の事務所などがどんどん増えれば、いずれSF作家に仕事を頼む流行が終わり、改めて企業が誰と一緒に未来のことを考えようかと考える時に、事業展開をしていけるのではないか。

未来思考で建築を考えるということは、将来きっと仕事にも繋がるはずだから、そういった考えを持つことを期待している、と学生へ向けてメッセージを頂き、レクチャーを締めくくった。

レクチャーシリーズ第6回(ゲスト:豊久将三さん)は都合により、中止となりました。

今年度のレクチャーシリーズも楽しみにしていてください。